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現代を生きる仏教的人間

現代を生きる仏教的人間

~「仏教とは何か」素朴な問いに~




 現代を生きる仏教的人間 

本書は難しい仏教用語でなく、一般に使われている言葉を用いながら、「仏教とは何か」という素朴な疑問に対して、仏教の「外」から客観的に明らかにしようと試みられている。

著者は日本の文化について、明治から戦前までは、東洋文化・東洋の精神を基盤に西洋文化を学んだ時代だったが、戦後から現代までは、東洋文化・東洋の精神 は棄てられ、西洋文化・西洋の精神がこれに取って代わった。日本の近代化とは、西洋化と同義である。しかし、今日の私たちの多くは日本の西洋化しているこ とを西洋化とは考えずに、単に日本の進歩だと考えるようになっている。すなわち、西洋・民主主義風の社会として、教育までも西洋の学問が基盤となっている 中で、私たちは西洋化していることにすら気づかなくなってきている状況だと言う。

そのような現状を踏まえ、このような社会を生きている我々「人間」をどのように見るのか、という点で、西洋の人間観と東洋(仏教)の人間観を比較され、共 通点と相違点とを明らかに示されている。人間の内面の奥深さに改めて気付かされると共に、急速な近代化(西洋化)により東洋の視点が失われつつある現代の 私たちのあり方が問われる。

しかし筆者は、仏教の学びの中に、西洋の視点と東洋の視点を総合(融合)し、人間として生きるということに確かな方向性を見出す可能性を提示されている。

『現代を生きる仏教的人間』
【著者】上田義文著【発行】本願寺出版社【定価】840円(税込)