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BOOOK紹介 六の宮の姫君

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六の宮の姫君

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 六の宮の姫君 


「あれは玉突きだね。…いや、というよりはキャッチボールだ」―王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、「私」の探偵が始まった…。

大正の文豪、芥川龍之介の往生伝をめぐるエピソードを、主人公の"私"が『今昔物語集』を素材とした王朝物の作品から読み解いていきます。

『今昔物語集』が成立したとされる平安末期は、従来の貴族王朝が崩壊、東国の武士政権へと移行する等、日本の歴史上稀な大転換を迎えた時期に当たります。 文学面でも従来の貴族中心の文化から大衆文学への広がりを意味する『今昔物語集』の内容は、千を超える仏教説話を中心とした説話集です。

芥川龍之介の『羅生門』『鼻』『藪の中』等の代表作や、武者小路実篤をはじめとして、多くの名作の題材となってきた『今昔物語集』等の往生伝・仏教説話。 江戸幕府が崩壊しあらゆる面で混乱をきたす中、新たな時代を模索し文学を生み出した彼らにとって、単なる題材にとどまらない意味を持っていたのでしょう。

この本は小説という形を採っていますが、元々は筆者が大学の卒論として研究を進めた題材でもあるといいます。仏教的な視点からではありませんが、芥川龍之 介を中心に織りなす交友関係を、様々な文献・評論から浮き彫りにしながら、遠く鎌倉期の仏教をめぐる人々の生き様に、時代を超えて自らの作品を織りなした 文豪達の生き様を、ミステリータッチで描いてあります。


『六の宮の姫君』
【著者】北村薫【発行】創元推理文庫【定価】504円